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「父が死んだ」

そんな連絡がやってきたのは大正18年の冬のことだった。


上京していた凛が父の葬儀のため

久しく故郷である おおち村 に帰ると、どこか違和感を感じた。

長年帰っていないせいだろう。

そう決め付け、凜は家へと急いだ。


父の葬儀も終わり、

幼い頃よく行っていた神社に

一時的に村に戻ってきたことお伝えに行く

 

昔から、何かあるたびに

この神社には必ずお参りしなさいと

父から口酸っぱく言われていたからだ

 

お参りを終え、家に帰ろうと凜が振り返ると
鳥居の下に見知らぬ青年が立っていた。

青年はこちらを見つめ、口を開く。

 

「おぬしの父の死の真相、知りたくはないか?」


そう言うと青年は怪し気に笑い

ゆらりとその姿を揺らし、三尾の妖狐へと姿を変化させた。


妖狐「アマツ」に促され、

は父の死の真相を知るべくアマツの手を取った。

輝く満月と

身にまとわりつくような水の感覚に思わず目を閉じ、

再び目を開けるとそこは、

大正元年の

かつてのおおち村へ戻ってきてしまっていた

 

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